追い打ち

taros_magazine2007-01-30

この種の”事件”の報道はいつもこうだ
何か記事やニュース原稿を書いた記者個人の”イラ立ち”のようなものが手にとるように伝わってくる反面、この悲しい出来事の裏側にあるモノに対する考察は微塵も感じられない

首都圏で頻発する、通勤時間帯の電車への飛び込み自殺…
これらのニュースの見出しは、いつの頃からか『○○万人の足に影響』といった部分のみが大きく取り上げられるようになった

それはまるで『死にたいなら勝手に死ね』『人に迷惑を掛けずに死ね』と言わんばかりの、驚くほど攻撃的な論調だ

おそらく、”現場”の取材などしていないのだろう
警察発表と鉄道会社から出されるリリースをコピーし、野次馬といっしょに遠巻きに線路を眺め、何人かの足止めされた乗客から通り一遍のコメントを取ってみる…
線路に飛び散った肉片も、列車に残る赤黒い血糊も、残された家族のことも、その取材メモには記されないのだろう


記事に自殺した者の顔写真が掲載され、『○○容疑者』と表記される日もそう遠くないのかもしれない