3−1=Φ

DCT


 Dreams Come Trueが大好きだった(イイ歳した男が言うと変に思われるだろうけど、初めて彼らを知ったのは20歳ころのことだから許して欲しい)
だけど、今のドリカムはまったく好きになれない。いったいいつからこんなふうになってしまったんだろう?

 考えられるいくつかのポイントがあった。作曲が吉田美和から中村正人へシフトしていった頃…ちょうどそのときに「笑顔の行方」がヒットした時。ライブがしだいに巨大化していった頃。大げさに“愛”を前面に出した「LOVE LOVE LOVE」が最大のヒットとなったこと…

 でも、やっぱり最大の転機は西川隆宏の脱退だと思う
 吉田美和のボーカルが、その前後にデビューしたGWINKOやELLIE(ラヴ タンバリンズ)と違って幅広い層から受け入れられたのは、何も彼女の詩の魅力だけでなく、初期のドリカムの曲の全編にわたって静かに、だけど印象的に挿入されている西川のシンセの心地よさが大きな理由だったと思う
 彼の存在感がしだいに薄れていくのと比例して、ドリカムが歌うテーマとライブの規模は大きなっていき、いつしかファン達さえも置き去りにされていってしまった(ついていけなくなった)気がする

 もしあなたの手元にドリカムのデビューアルバムか2ndの「LOVE GOES ON」があるなら、ぜひヘッドフォンで聞いてみてほしい。西川の奏でるシンセの音の、繊細だけど力強く、そして美しいリフこそが一番純粋だった頃のドリカムの“ハート”だったと気づくはずだ


"taro's magazine" main site…http://www.tees.ne.jp/~ito-taro/