空気嫁

taros_magazine2005-03-14


 何気なくテレビを見てたら、SMAP×SMAP自民党の安倍幹事長代理が出てた
 ものの3秒ほどしか見てないで言うのもなんだけど、いつもながらジャニーズ事務所の計算高さには感心する
 なんというか…「スマップと一緒にテレビに出られる」ということをエサにして、いわゆる”大御所”と呼ばれる芸能人やアーティスト、それに筑紫哲也のような”お高い”ジャーナリストといったところまで、ありとあらゆるところにコネと作ると同時に、タレント自身も座りのいいステータスみたいなものを手に入れるという手法…
 これが、さしてファンでもない自分にはあまりに露骨で…はっきり言ってしまえば辟易としてしまう

 つい先日も”マツケンサンバ”を松平健本人と東京ドームで何万人もの物好きが踊るというイベントがあったが、そのクライマックスに登場したのが香取慎吾扮する”カツケン”だった
 翌日の芸能ニュースは「マツケンとカツケンの夢の共演」とか持ち上げていたけど、おそらく当の松平健からすれば「いちテレビ番組の企画でやってるキャラクターにいちばんオイシイところを持っていかれた」という屈辱感が少なからずあったはずだ
 
 こんな空気の読めない”乱入”を見てて、なぜかずいぶん昔のプロレスを思い出した

 1987年両国国技館、多くのプロレスファンが心待ちにしていた「猪木VS長州」がいよいよ実現する…というとき、ビートたけしが軍団と外人のレスラーを引き連れて猪木との試合をゴリ押した事件だ
 このとき会場にいたファンが当代一のテレビの人気者の登場に対して浴びせたのは、歓声でも拍手でもなく、激しい怒号とブーイングだった(その後暴動騒ぎにまで発展した)
 この一件以降、たけしのお笑いは多くの”タブー”を避けるようになり、あえて若者を対象にした番組作りをしなくなった
 
 先週、東京ドームにいた人たちだって、一瞬は「キャーッ!」とか歓声をあげただろうけど、「何か違うんじゃないか?」と感じる部分もあったんじゃないだろうか…だいいち”カツケン”なんて知らない人だってたくさんいただろうに…


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