DIVA

taros_magazine2005-10-01

ちょっと前に、コカコーラのCMソングを歌っていた”BENNIE K”という女性ユニットがブレイクした
夏にピッタリのノリの良いビートと、それに合わせたラップ、そしてファルセットボイスを織り交ぜた耳ざわりの良いボーカルは、いかにも”本場テイスト”を感じさせる曲で、車でFMラジオなんかを流していると1日に5回も6回も聴くことが出来た
ただ、彼女らを紹介するFMのナビゲーター(DJ)が言うキマリ文句がどうにも引っかかるのである
”日本人離れした…”リズム感、歌唱力、センス…これまで一体何人がそう紹介されたのだろうか?そして”ホンモノ”として世に出た歌姫たちのうち、一体何人がその後も看板どおりの評価を受けて生き残っているのか?

別に”売れる”ことが音楽的に”ホンモノ”だとは思っているわけじゃない
”天才”宇多田ヒカルの爆発的ヒットは、そのコピーである倉木麻衣が売れたことにより、”才能”ではなく”方法論”(日本デビュー前のアメリカでのリリースや露出やCD出荷量を意図的に抑え品薄感を演出するような手法など…)こそがそのセールスの主要因だったことが証明されてしまった
あれほど広いファン層に支持された小柳ゆきは、皮肉なことに”本場”の音楽を勉強して帰ってきたときには音楽シーンに居場所はなくなっていた
ラヴ・タンバリンもダブルもsugar soulもSILVAも元ちとせ一青窈も、”デビュー時(あるいはCM出演時)=ピーク時”になってしまっているように感じる

結局、セールストークなんだと思う
というのも、以前アメリカの有名女性カントリーシンガー シャナイア・トゥエインの曲がやたらとテレビ・ラジオで流れた時期があった
朝のワイドショーで、カツラを被ったメインキャスターが『もう最高、最高、最高!』と突然絶賛を始め、その直後に来日公演が発表された
実は、これは有名広告代理店が仕掛けた”ブーム”だった(”韓流”と同じ…)
『(日本で一番流行に敏感な)丸の内のOLから火がついた』というキーワードで売り出し、マライア・キャリーセリーヌ・ディオン的な評価を既成事実として作り上げようとしたのだ
そのため、丸の内でCDサンプルを配りまくり、日本中のFM曲にタイアップを持ちかけ、あのキャスターに熱狂的ファンを装って彼女についての”ミニ知識”を茶の間に広報させたのだ

しかし、普通の日本人は彼女を受け入れなかった
今も自動車のCMで彼女の曲が流れているが、あの頃熱狂的にコメントし続けたカツラはもう話題になんてしない。きっと広告代理店が手を引いたのだろう

さて、季節は秋、学園祭シーズン…"BENNIE K"もツアーの一環として全国の大学も回るという
彼女たちのピークは”この夏”だったのか、それとも…