実況中継

taros_magazine2005-10-05


それにしても感慨深い”F1の生中継”である
思い起こせば1987年、レース放送前に何気なく見ていた夕方のニュースで結果を知ってしまって以来、さまざまな悲劇を味わってきた
テレビを見ずラジオを聴いていたら、親切なDJが結果を教えてくれたり、テレビもラジオもつけずに家にいたら母親が速報を知らせてくれたり、街をうろうろして時間をツブしていたらすれ違う高校生が『セナが勝ったってさ!』と叫んでたり…
『なんでオマエラみんなTBSの石川顕(*)みたいに親切なんだよ!』
ここ数年はスカパーで全戦生中継をしてくれてたので事なきを得ていたが、やっぱり、レースを含めたスポーツ観戦の醍醐味は”今、そこで起こっていることを目撃する”ということに尽きると思う
競馬中継とのカラミや、CM収入のウマミなど、いろんな要素はあるんだろうけど、やっとフジテレビも重い腰を上げたというところか…
そこで、フジテレビにもう一つお願いである
『頼む、イマミヤ ジュ○に引導を渡してくれ!』
彼が日本にF1を定着させた功労者であることは否定しない。彼の語りでいろんなドライバーの人となりを知り、それぞれに感情移入できたことは事実だ。ただ、今となってはそのソースは極めてアヤシイが…
その彼も、近年のハイテクテンコ盛りのマシンで争われる複雑な戦略重視のレースでは、もはや語れるジャンルは皆無だ
映像を見たまんまの”感想”や、オフィシャルサイトで誰でも見ることができるタイムデータとアナウンスを伝えるためだけに毎戦現地へ派遣される不条理…
そして何より、独自の情報網とデータを駆使してレースを分析する川井氏のしゃべりが、イマミヤのどうでもいいタワ言のせいで何パーセントかでも減ってしまうことが耐えられない
こうした”イマミヤ不要論”を唱える声は、ネット上でも二次曲線的に高まっており、それはフジテレビはもちろん、イマミヤ本人にだって届いているハズだ
フジが何かの理由で彼を切れないのなら、もはや彼自身が決断する段階にきていると思う
イマミヤよ、キミが80年代後半に心血を注いだように、F1中継をファンが心から楽しめるソフトウェアに戻そうじゃないか…今ならまだ、惜しまれて去ることは可能…かもしれない…いや、ちょっと遅いカモ…



*TBSの石川顕・・・1990年のF1モナコGPアメリカで行われるインディ500と同日開催だった
しかし実際には時差の関係でインディのスタート前にはモナコGPは終了していたのだが、TBSが生中継で放送したインディの番組冒頭、実況を担当した石川は、あろうことかF1ファンがテレビのリモコンを手にする間をもあたえないほど唐突に「F1のモナコGPはセナが勝ったそうですねー」と言いやがった
録画放送であるフジのF1は、ちょうどインディの放送が始まってしばらくしてから放送開始だったのだ…
モータースポーツファンの関心をインディに繋ぎ止めようとした石川の発言は逆に大ヒンシュクを買い、しかも勝ったのが人気者のセナだったこともあり、数分後には多くの視聴者がF1にチャンネルを替えたことは言うまでもない
この石川アナ、アメリカン・スポーツカルチャーの伝道師的な立場で見られているフシもあるが、インディの実況ではグリッドでアップになったエディ・チーバーを『エマーソン・フィッティパルディ!”エモ!”』と紹介するなど、『どうせみんなわかってないんだろうから、とりあえず適当なコト言って盛り上げとけ』的な腹黒さを露見していた
そんな彼の真髄は、アメフトで「何?今の?」というようなささいなシーンで「ビッグ・プレェーーーーーーィ!!!」と叫び、なにかとてつもないスゴイものを見ているような錯覚をおこさせる手法にも垣間見られる

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